21世紀だもんね


実質的に日本初の量産市販EV(電気自動車)、三菱「i-MiEV(アイミーブ)」がマイナーチェンジ。エントリーグレードの「M」は定価\2,600,000、国の補助金交付を受けると実質\1,880,000というお手ごろ価格で7月25日に発売された。

三菱「i-MiEVアイ・ミーブ)」といえば、軽自動車の三菱「i」をベースとして床下にリチウムイオンバッテリーを収納し、2009年7月にデビューした市販EV。普通に買えるクルマとしては実質的に日本初のEVといえ、そのキュートでちょっと未来的なデザインとともに人気を博してすでに海外への輸出、OEMを含めて1万台以上が販売されているという。

今回のマイナーチェンジでこれまで1グレード展開だったものが「G」と「M」の2グレードに。「G」はリチウムイオンバッテリーの容量は従来どおりの16kWhのまま、回生ブレーキ(減速時の運動エネルギーを回収してバッテリーに戻す)をより強化した「ブレーキ連動回生ブレーキ」を搭載し、航続距離は、従来より約2割アップの180km(JC08モード)を実現。さらにSSD(ソリッドステートドライブ)カーナビや前席のシートヒーターなどを装備した豪華仕様。さらにAC100V/100Wの電源供給ができる「ACパワーサプライEZ」がディーラーオプションとして設定され、充電した電力を供給することもできる。いわば“走る家電用バッテリー”だ。

だが、より注目すべきはエントリーグレードの「M」だろう。こちらはEVのコスト要因であるリチウムイオンバッテリーの容量をあえて10.5kWhまで減らしたことで価格を\2,600,000に(従来モデルは\3,980,000)。経済産業省の「クリーンエネルギー自動車導入促進対策費補助金」の交付を受ければ、実質ユーザー負担は\1,880,000と、かなり現実的なプライスだ。

バッテリー容量を減らしたとはいえ、JC08モードで航続距離は120kmあり、シティコミューターと考えれば実際の運用でも十分だろう。なによりも、実質\1,880,000という価格は、ガソリン軽自動車の上級モデルが\1,500,000〜\1,700,000ほどすることを考えるとほとんど同じ。さらに燃料費などを入れたランニングコストは圧倒的に「i-MiEV」の方がかからない。この「i-MiEV」でさらにEVが街に溢れることになりそうだ。