こども医者

ポル・ポトの記事で、すごいのがありました。
http://chaos2ch.com/archives/3018814.html


過去からの一切合切を切り離そうとしていたポル・ポト政権にとって、
旧体制文化の名残りでもある人間は、すべて病原菌なのであった。
病原菌は、速やかに駆除しなければならないというのが彼らの理論だった。

踊り子や歌手を始め、僧侶、医者、看護婦、教師、芸術家に至るまで、技術を持つ者、知識人は、すべて処刑の対象となった。
都市に住みメガネをかけているだけで知識階級と見なされ殺されたのだ。
それは、まるで、腐った果実は、まとめて処分するように、無造作に一カ所に集められて殺されたのである。

その結果、頭の中に旧来の知識を全く持たない子供だけが重視されるようになっていった。
大人は、信用出来ず、信じられるものは、子供だけになった。
子供は、大人よりも重大な仕事につくことになり、子供兵士、子供看守、子供医師という特異な存在が次々と生み出されていったのである。

中には、全く字も読めないような医師さえもいた。
彼らは、名目だけの3か月程度のにわか仕込みの教育を受けて、医療業務をまかされたのである。
子供医師にかかり注射を受けた者の多くは、傷口が化膿した。
腫瘍が腫れ上がり体全体に広がり命を落とす者が続出した。

多くの者は、医療の知識もなく、ろくに消毒もせず注射をしようとする子供医師を恐れた。
彼らは、手術すら行うこともあったが、しかし、その実体は、人体実験に等しいものだった。
生きたままを柱にくくりつけられ、大きな切り口をつけられ、傷口を両側に押し広げられて即死した哀れな患者もいたのだ。