次は、四つ目のお話。

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次に動画化する怪談は、もう決まっています。

四つ目の女の話です。

 

とりあえず、その怪談の他に予告編という名のサブ動画も作ろうと思って、

四つ目の少女期のお話をでっち上げます。

いつものことですね。

とりあえず、こんな感じ。

 

 

古来、日本では見た目が通常の人間と違った子供が生まれると、

忌み子や鬼子と呼ばれ、存在しないものとして隠された。

 

ここは、東北の山間にある小さな集落。

「ヨツ」と呼ばれる、ひとりの少女がいた。

彼女は、顔を粗末な麻布で覆っていた。

他の村人は彼女に優しく、

嫌うこともなく、のけものにすることもなく、

他のものと同じように接していた。

 

とある夏の暑い日。

村に行商人の男がたどり着く。

彼は四六時中、面布をつけた少女のことが気になり、

村人に聞いてみるが、聞くなと咎められるばかりだ。

好奇心にかられた彼は、まわりに人がいないときを見計らって、

少女の顔を覆う布を、めくってしまう。

 

「何をするの」

 

少女の大きな目が、睨みつける。

大きい玉のような黒目が、左右にふたつ。

いや、その黒目の下にも、同じような黒目がふたつ。

合計四つの大きな瞳が、行商人を睨みつけた。

行商人は悲鳴をあげ、隣町まで逃げていった。

 

その夜、村の者が集まっていた。

「ヨツ」という、この村の秘密が村の外に知れ渡ってしまう。

村長は、頭を抱えていた。

今頃、あの行商人は隣町でヨツのことを吹聴していることだろう。

よからぬ噂は、よからぬ不幸をもたらす。

この村のことを、なんとか守らなくてはならない。

 

村長は、自宅の中庭にある蔵を改造し、そこにヨツを幽閉することにした。

座敷牢だ。

「ヨツ」さえ隠してしまえば、あとは知らぬ存ぜぬで押し通すつもりだ。

ヨツの母親は泣きながら抵抗したが、自分が世話をする、という条件で納得してくれた。

ヨツは、ただ黙って頷いた。

そして村の「ヨツ」を隠す、という風習が始まった。