次は、四つ目のお話。
次に動画化する怪談は、もう決まっています。
四つ目の女の話です。
とりあえず、その怪談の他に予告編という名のサブ動画も作ろうと思って、
四つ目の少女期のお話をでっち上げます。
いつものことですね。
とりあえず、こんな感じ。
★
古来、日本では見た目が通常の人間と違った子供が生まれると、
忌み子や鬼子と呼ばれ、存在しないものとして隠された。
ここは、東北の山間にある小さな集落。
「ヨツ」と呼ばれる、ひとりの少女がいた。
彼女は、顔を粗末な麻布で覆っていた。
他の村人は彼女に優しく、
嫌うこともなく、のけものにすることもなく、
他のものと同じように接していた。
とある夏の暑い日。
村に行商人の男がたどり着く。
彼は四六時中、面布をつけた少女のことが気になり、
村人に聞いてみるが、聞くなと咎められるばかりだ。
好奇心にかられた彼は、まわりに人がいないときを見計らって、
少女の顔を覆う布を、めくってしまう。
「何をするの」
少女の大きな目が、睨みつける。
大きい玉のような黒目が、左右にふたつ。
いや、その黒目の下にも、同じような黒目がふたつ。
合計四つの大きな瞳が、行商人を睨みつけた。
行商人は悲鳴をあげ、隣町まで逃げていった。
その夜、村の者が集まっていた。
「ヨツ」という、この村の秘密が村の外に知れ渡ってしまう。
村長は、頭を抱えていた。
今頃、あの行商人は隣町でヨツのことを吹聴していることだろう。
よからぬ噂は、よからぬ不幸をもたらす。
この村のことを、なんとか守らなくてはならない。
村長は、自宅の中庭にある蔵を改造し、そこにヨツを幽閉することにした。
座敷牢だ。
「ヨツ」さえ隠してしまえば、あとは知らぬ存ぜぬで押し通すつもりだ。
ヨツの母親は泣きながら抵抗したが、自分が世話をする、という条件で納得してくれた。
ヨツは、ただ黙って頷いた。
そして村の「ヨツ」を隠す、という風習が始まった。