最後に、愛してる

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今回も、意味が怖い話です。
夫婦の仲良し会話かと思いきや、、、ってやつですね。
自分的には、途中の子供のシーンが、
何をやっているのか分かってから、
見返してみると、一番やばいですね。
雰囲気ある音楽に反して、ホラー度はかなり高いのではないでしょうか。

解答、というか何をやっているかは、コメに書いておきますね。

 

「最後に、愛してる」

 

背景画像、タバコと灰皿、丘

屋外は、やめよう。

タバコが理想。

 

音楽、切なく、ピアノ、

 

ゆっくり男声

「おい、まだかよ?」

 

俺は、女房の背中に向かって言った。

どうして女という奴は、支度に時間が掛かるのだろう。

 

ゆっくり女声

「もうすぐ済むわ。

そんなに急ぐことないでしょ。

ほら翔ちゃん、

バタバタしないの!」

 

確かに女房の言うとおりだが、せっかちは、俺の性分だ。仕方がない。

今年もあとわずか、

世間は、慌しさに包まれていた。

俺は、背広のポケットからタバコを取り出し、火をつける。

 

「いきなりで、お義父さんとお義母さんは、ビックリしないかしら?」

 

「なあに、孫の顔を見た途端、ニコニコ顔になるさ」

 

俺は、傍らで横になっている息子を眺めて、言った。

 

「お待たせ。いいわよ。…あら?」

 

「ん、どうした?」

 

「あなた、ここ、ここ」

 

女房が、俺の首元を指差すので、触ってみた。

「あっ、忘れてた」

「あなたったら、せっかちな上にそそっかしいんだから。

こっち向いて」

 

「あなた…愛してるわ」

 

女房は、俺の首周りを整えながら、

独り言のように言った。

 

「何だよ、いきなり」

 

「いいじゃない、夫婦なんだから」

 

女房は、下を向いたままだったが、照れているようだ。

 

「そうか・・・、俺も、愛してるよ」

 

こんなに、はっきり言ったのは、何年ぶりだろう。

少し、気恥ずかしかったが、気分は悪くない。

俺は、女房の手を握った。

 

「じゃ、行くか」

 

「ええ」

 

俺は、足下の台を蹴った。

 

(フェードアウト)

 

あなたには、意味が〜。

(天井の画像)

 

(効果音)

バタン、(倒れる音)

ギィギイギィ、(ロープが軋む音)

 

タイトルと同じ画像、

首吊りの縄だけ追加。



あなたは、意味が分かりましたか?

 

女房は俺の首周りを整えながら、独り言のように言った。

俺は、足下の台を蹴った。

 

(少し間をおいて)

 

ほら翔ちゃん、バタバタしないの!

 

俺は傍らで横になっている息子を眺めて言った。

 

エンディングは、青空

 

予告

 

(文字無し)「すみません」ミリアル声、

声だけが聞こえる。

店内モニタ画面には、

何も写っていない

昔、働いていたバイト先で起きた、

恐ろしい体験。

「あの女が、出るんだ」

先輩は、おかしなことをいった

防犯カメラに写った、

長い黒髪と、女の足。

「待て!!」

先輩が突然、声を張り上げた。

扉の向こうに、あの女がいる。

目には見えないが、カメラに写っている。

(最後に、女がちらっと映る)

(タイトル、タイトルコール)